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Slavery-2

隹は険しげに眉を顰めた。 式は目隠しされる前と同じ眼差しでいた。 切れ長な双眸は依然として凛たる眼光を宿し、何物にも動じておらず、毅然としていた。 隹は隅に転がっていたバケツに水をなみなみと入れ、式へ勢いよくぶちまけた。 「成る程、お前はあれを喜んで迎え入れたわけか」 隹の口元から嘲笑が消えていた。 寄せられた眉根には色濃い苛立ちが見える。 一方、ずぶ濡れの式は凛とした眼差しで彼を見据え、言った。 「俺は何も感じていない。あんなものに意味などないからだ。だから屈する必要もない。貶められる事も」 泣き喚くどころか冷静だ。 何も、いつもと変わらない。 堕ちてなどいない。 面白くないな。 「……確かにお前は一度もイかなかったな」 放られたバケツが騒々しい音を立てて転がった。 すぐ目前に迫った隹から式は目を逸らさずにいた。 顎を掬われ、口角の傷が痛んでも、その眼光を崩さなかった。 しかし隹の唇が自分の唇に被さるなり、その双眸を大きく見開かせた。 不意に滑り込んできた舌先を反射的に拒絶する。 その舌尖に容赦なく噛みついて互いの口腔に血の味を広げた。 それでも隹はやめなかった。 力尽きた体でありながら必死に抵抗しようとする式の両手首を締め上げる。 目隠しの布を使い、頭上の配管に瞬時に括りつけた。 その間も彼の唇を犯し続ける。 嫌がる相手の舌先に舌先を絡ませ、音を立てて啜り、吸い上げる。 「んぅ……ッ」 両手で顔を固定されているので向きを変える事も叶わない。 下顎へと唾液が溢れ落ちていく。 「やっと感じたな」 おもむろに顔を離した隹の口元は濡れた嘲笑を浮かべていた。 「貴様……」 「わかったぞ、式。お前は暴力には十分な免疫がある、ただし快楽には不慣れなわけだ」 伸ばされた舌端が口角の傷口をねっとりと舐め上げた。 「お前は初めて拒んだ……お前の弱点が、やっとわかった」 蛇の細やかな舌遣いを思わせるやり方で傷口を小刻みに舐られ、式は歯を食い縛った。 震える膝を割って入ってきた隹の大腿に股座をじっくり圧迫されると、首をすぼめ、声を洩らした。 「ぁ……クソ、やめろ……っ」 難攻不落と思われた捕虜の弱点を見つけて愉悦する隹に拒絶の台詞は却って逆効果だった。 「そそられるな、式。お前の哀願をもっと聞きたい」 「う」 隹の掌が湿り気を帯びた二つの膨らみを揉みしだいた。 つい声を上げた式に再び深く口づけ、口腔を淫らに掻き回す。 ただ快楽を注ぎ込もうとするその舌や指先は普段の荒々しさを払い落とし、ひたすら細やかに蠢いた。 互いの唇の狭間から粘着いた水音が零れる。 膨らみからずらされた手が性器そのものに触れ、勃ち上げようと、上下に撫で擦る。 「ん、っ、いやだ、やめろ……ッ」 唇を後にして首筋を過ぎ、鎖骨をなぞって、隹の舌尖は胸の辺りに辿り着いた。 彼の行動が読めた式は否応なしに頬を赤くし、頭上の配管を振動させる。 どうにもならない状況に歯痒さが増すばかりの無駄な抵抗だった。 「どうした、ここを弄られるのがそんなに嫌か」 頭を屈めた隹は上目遣いに式を見つつ、薄い赤みの差す突起の一つへゆっくり唇を被せた。 濃密に纏わりつく唾液に塗れた舌先が卑猥な刺激を送り込んでくる。 式の目尻に涙が浮かんだ。 配管が先程以上にうるさく軋む。 小さな尖りを優しく蹂躙しながら隹は笑った。 「そうか、一際ここが弱いのか。確かにお前のペニスが反応している。硬くなってきた」 「ぁ、ぁ……ッ、も、やめてくれ……ぁッ」 もう片方の尖りを指の腹で押し潰される。 指と指の間で起こる緩やかな摩擦に震えが止まらなくなった。 両方の突起が次第に色味を増して硬さを帯びていき、同時に式の性器も隹の手の中で昂ぶり始める。 滴る先走りが棹に伝い、扱かれる速度が上がった。 「出せ、式」 「あ……う」 「敵の手でイくなんて娼婦よりも淫乱だな」 「ッ、あ、あ、あ……!」 隹は一気に動きを速めて扱き上げ、式は紅潮した肢体を揺らめかせて無残に上り詰めさせられる。 ヴィッカスは搾り込むように先端を揉み立て、勃起した突起に歯列を軽く食い込ませた。 「ッ……!」 その瞬間、式は、達した

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