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Slavery-3
「あッぁ……はぁ……ッ、ぁ……はぁ……ッ」
唾液で濡れた口元が薄闇の中で淡く艶めいていた。
荒い息遣いが冷ややかな静寂に反芻される。
冷水をかけられて凍えていいはずの体は欲深な火照りに食い尽くされていた。
屈んでいた隹は背筋を正し、上体を前に倒して顔を隠している式に囁きかける。
「大層なイキっぷりだな。俺の部下より溜まっていたとは」
「ッ……黙れ」
「毅然と振る舞っていながら体はこんなに飢えていたわけか……コイツ、一度じゃあ満足できていないようだぞ?」
精を放ったばかりの式のペニスはまだ頭を擡げ、未だ白濁の糸を切らす事がなかった。
己の浅ましさを思い知らされた式は正視に耐えかねて目をきつく瞑る。
全身を駆け巡る熱の荒々しさに意識が朦朧としていた。
「も……もう離してくれ……頼む……」
願ってやまなかった式の哀願に隹は青水晶の双眸を嗜虐的に光らせた。
「お前、この状態のまま戻れるのか」
隹は跪いた。
脈打つ熱源を間近に見て唇を歪め、白濁で濡れる手を式の背後へ……。
「!?」
式が瞠目した。
双丘の間を行き来する指先に身を竦め、真下の隹をぎこちなく見やった。
「な、何を」
「掃除してやろうと思ってな。部下の後始末は上官の仕事だ」
散々突き入れられて奥深くへ放たれた白濁はまだ内部に残っており、隹は、それを掻き出そうと中指を緩々と押し入れた。
「……う」
傷ついた内壁を悪化させないよう、彼らしからぬ慎重な手つきで奥へ進める。
中に溜まる残滓が潤滑剤となって新しい傷をつくる恐れはないようだ。
当然、隹はただの親切心でそんな事をやる男ではなかった。
「ひ……っ」
鈎型に曲げられた中指が奥まった箇所へ届くなり、式の体にまたしても凶暴な肉欲が襲いかかった。
「部下共は突くだけの自慰同然な処理だったから、な。こういう風にされるとお前もいいだろ」
肉壁に閉ざされたそこを中指の先がじっくりと掻く。
式は切なげに呻吟した。
触られてもいない胸の尖りや性器が痛い程に勃起する。
眩暈がし、どうにかなってしまいそうだった。
無意識に甘く上擦った声が出る。
肉の深部をもったいぶった手つきで掻き回す隹に何度も願った。
「や、やめ……ッ、抜いて、もぉ……あ、ッ」
掻き出された白濁が太股の裏側を流れ落ちていく。
卑猥な眺めに隹は粗悪に笑み、眼前で屹立する性器に息を吹きかけた。
「あ……ン」
式は背筋を震わせた。
出したくもない声を上げて、嫌悪する男にいいように体を弄ばれて、無情なひと時にとうとう涙した。
「……泣いてるのか、お前」
式の涙に気づいた隹は即座に行為を中断し、立ち上がった。
式は咄嗟に項垂れる。
が、顎を持ち上げられて易々と涙を見せる羽目になった。
正に本望が叶った隹は一筋の涙を一心に見つめた。
「お前はもっと泣くのか、式」
裸の腰を抱き寄せて自分に密着させ、汚れるのも構わずに、下肢を大胆に摺り寄せる。
衣服の内で抑えられていた強靭な熱を感じ取った式は眉根を寄せた。
「お前は俺の前でだけ涙を流せ」
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