12 / 16
大事件勃発
俺は大学でアルバイト情報誌をパラパラめくっていた。なんか不毛な毎日を送っていることに気がついて、少し生産的なことをしてみたくなったんだ。働けば、気が紛れるだろうしね。
遅くまで働けるし、条件面もよかったからレンタル屋に決めて電話をした。明日さっそく面接。ジ一ンズよりチノパンのほうがいいかな?こざっぱりしたほうがいいよね。ちょいとユニクロにでもいって爽やかな衣装を買い込みますか。
大学をでて店にいき、パンツとシャツ、手触りのいい長Tを買った。綺麗なピンク色のシャツがコウタロウに似合いそうだったけど、何の理由もないのに買うのって変だと思いなおす。 バイト初給料記念だ、ありがたく受け取れ!って渡すのはアリだよね(まだ採用になっていませんが、なにか?)
本屋に向かって歩き出したところで電話がなった。ディスプレイには『松田』の文字。
「おう、どうした?」
『さとし、ちょっとまずいことになるかもしれない』
いつになく物騒な松田。いったい何だ?
「まずいってなに?出席は計算しながら休んでるから大丈夫だと思うけど?間違ってた?」
『そんな呑気なもんじゃない。俺の情報網でマ一クしていたからキャッチできたんだぜ』
「いや、だから何がですか?マツダサン」
『眼鏡男と村井が連れ立って帰った』
「ちょっとそれ、どういうことだよ!」
『最近村井がおかしかったんだわ。それで俺気にしてたわけ』
「俺コウタロウがおかしいなんて気がつかなかったよ!」
『それは村井がお前を避けてたからだ。3日くらい顔合わせてないだろ』
「そう言われたら……そうかも」
コウタロウが俺を避けるなんてショックだ。それも人に言われて気がつくなんて。
『避けられた、ヒドイわ~ってのは後にしろ。眼鏡は自宅通学だから、たぶん村井の部屋にいったと思う』
「えええ~~えええ~~なんで、なんでよ!あいつ俺に3Pとかいってくるような奴だぜ?コウタロウだって知ってるんだぞ」
『色んな意味であのメガネはやめとけって言っただろ、俺』
「それはわかったよ。でもなんでコウタロウが眼鏡男子と一緒なんだよ」
『問題はな、誘ったのが村井だってことだ』
「ど、どういうこと?」
『わからん。眼鏡が涎をたらす勢いな顔だったって、目撃証言がある』
「誰だよ、それ!」
『俺の彼女だよ!』
それなら信じていいだろう。でもなんでそんなことになっているのか信じられない。
『とりあえず電話して、むら』 ブチ
松田の電話を途中で切って、コウタロウにかける。留守電で繋がらない。俺は地下鉄の駅にむかって走り出した
ともだちにシェアしよう!