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第19話

部長の立場で部下の 個人情報把握しているとは言え 私情で使うとは我ながら 呆れてしまう。 「はぁ…………」 ついつい溜息吐きながらも 来た足を戻すのもあれなので、 とりあえずマンションへと入る。 どうやらオートロックではないらしい。 面倒なのはとりあえず回避したが 結局はインターホン鳴らすなら同じか。 またブツブツ言いながら 俺は一之瀬の部屋の前で コホンと軽く咳払いをした。 俺はふーと深呼吸して 自分を落ち着かせると インターホンに手をかける。 ただそれだけの行為に 俺の心臓はヤバイぐらいに 跳ね上がる。 こんな俺は知らない────。 好きなのか? その答えはこの扉の 向こう側にある。 俺は意を決して インターホンを鳴らした。

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