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第18話
そう頑なに思ってたのに
涼介が声を荒らげた。
「お前は興味無いヤツに
そんな事するタイプじゃないだろ」
う────痛い突っ込み。
「確かに無愛想だが遊び人じゃない」
褒められてるのだろうか?
いやしかし俺はゲイじゃないぞ!
「俺はホモじゃな…………」
言いかけて殴られた。
「馬鹿だろ!」
こ、こいつ────、
いつもはタコスケの癖に。
グーの音も出ね。
「お前、本当に鈍感だな」
「な、なんだと!?」
殴りたいクソ────。
わなわなしながら涼介を睨むと
冷たい口調ではっきり言われた。
「お前は根が真面目なんだ、
そんな奴がキスとか?ましてや
酔った相手に不意打ちとか
絶対しねー少なくとも俺が
知ってるお前はしない」
「…………………………」
そこまではっきり言われたら
何も言えないじゃないか…………。
「もう一度泣いてたぞ一之瀬」
その一言に俺の胸はグサリ。
な、なんでだ?
何故胸が痛む?
内心パニックなのに俺は
涼介にまんまと促され
何故か一之瀬の
自宅マンションの前に佇んでいた。
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