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第47話

 結局なんだかんだ風呂の中で思い出しては 一人で百面相して三十分も入ってしまった。 湯船から出て、濡れた身体を拭きつつ もう一度身体を確かめると やはりあちこちに残る跡。 オレは目を逸らし、服を着てみると それは大きめの白いシャツ。 「なんでこれ……」  嫌だけど他に見当たらずしかも下がない。 めちゃくちゃ悪意を感じるのはオレだけ? こんな姿で出ていくなんて恥ずかしすぎる。 けれどいつまでもここにはいられないので 渋々リビングに戻った。 「出ましたけど……」  濡れた髪を拭きながら赤い顔して 口を開けば部長はこちらを向いて じーっとオレを見つめている。 「なんですか?」  恥ずかしさにもぞもぞしていると 部長はオレに近寄ってきてニヤリとした。 「エロいな」  な、なにを言っているんだこの人は。 やっぱりわざとこれを着させたな。 「ほ、他の服貸してください」  正直、足元はスースーするし落ち着かない。 「嫌だ」  む、ムカつく……。 「風呂入って来るから先にベッド行っていいぞ」  部長はそう言ってさっさと 風呂場へ行ってしまった。 ポツンと取り残された 俺はブーブー言いながらも 諦めて寝室へ向かう。  やっぱり自分の狭い部屋と違って 良い家に住んでるな。  あれそう言えば寝室どこだ? ここに来たの初めてだし、 オレはとりあえず目に入った扉を開けてみた。 「うわ、すっごい本の数」  どうやら寝室ではないのだが、 あまりの本の数にオレはびっくり。 部屋にびっしりと本棚があり、 そこには隙間なく大量の本が納まっている。  本棚の本を見てみるとどれも それなりの厚さで難しそうな本から 有名どこまで幅広いラインナップ。 「……聖夜って本好きなんだ」  意外ではないけど、これだけ 大量にあると驚いてしまう。 オレはとりあえず部屋を出て もう一部屋開けるとベッドを発見。  この家を隅々まで見たい気持ちは あったのだが、腰が重く身体の怠さから 大人しくベッドへと滑り込んだ。

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