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第5話
なんかんだ課長のお薦め
居酒屋に来て2人はもう
数杯呑んでるのに俺はまるで進まない。
課長と部長は普通に会話してるけど、
当然俺には入る隙はなく……
片隅で小さくなっていたら
課長が気づいてこちらに
話題を振ってきた。
「一之瀬全然呑んでないじゃん」
そりゃそうでしょうよ!
部長が普通に会話してるとこなんて
初めて見たわ!
「酒苦手だった?」
課長の優しい言葉とは裏腹に
部長はツンとした表情で
ビールを一気に呑み干す。
俺は内心ムッとしながら
自分の目の前にある
ウーロンハイをごくごく。
「なんだいけるじゃん」
決して強くはないんだけどね。
「あ、一之瀬こいつがなんで聖夜って
名前だか知りたい?」
課長の一言にぶっと吹き出しかけた
部長が課長の頭をバシッと叩いた。
「お前何言い出すんだこら」
だけど課長は頭をさすりながら
笑って続けた。
「こいつさ雪の降る
クリスマスイヴに生まれたから
聖夜なんだぜ?顔に似合わず
ロマンティックな名前だろ?」
笑ながら話す課長。
何よりこのムスッとした顔が
クリスマスイヴってまずいと
思ったけど笑ってしまう。
当然部長の顔は険しくなる一方
だけど、俺と課長は意気投合して
促されるまま慣れない酒を
おかわり。結果何杯呑んだか
分からずお開きの時には
ベロンベロンになっていた。
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