11 / 68

第11話

聖夜side 朝からずっと視線が刺さる。 しかも1人だけじゃなくて もう1人俺に視線を送るやつ。 あのタコスケ!! 睨みを利かし涼介の方を 見るとニヤついてる。 一之瀬から何かを聞き出したのか? くっそ────自分でした事とは 言え不覚────仕事がやりづらい。 昨夜も結局穏やかな眠りとは 程遠く、頭をクシャクシャしながら 仕事で気を紛らわせたまま 朝を迎え今に至る。 朝から晩まで仕事────、 自分でもここまで仕事漬けだと 笑えない。俺は部下の企画書に 全て目を通すと 昨日出来上がった自分の企画に 取り掛かる。 「あ、資料がねー」 独り言も少々不機嫌だ。 俺は席を立って資料室へ向かう。 「はぁ………………」 視線から免れたのと いつもの様に集中出来ない 自分に溜息が出てしまう。 本当に俺はどうした? あの普通過ぎる一之瀬に 頭が完全に振り回されてる じゃないか…………。 「俺大丈夫か?」 つい言葉にすると すれ違う社員に危ない奴的な 視線を食らって 俺は緩んだ意識を仕事へと 向ける為少々埃臭い 資料室へ脚を踏み入れた。

ともだちにシェアしよう!