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監禁 16
その時。
ガチャリとドアが開く音がして、思わず顔を上げると。
「…何突っ立ってんだ?ソファーに座れよ」
京さんが、湯気が立ちこめるマグカップを2つ持ってそこに佇んでいた。
「えっ、京さん…?」
「…お前は翠の相棒だしな。休憩がてら話してやるよ」
音もなくマグカップを机に置くと、顔に直撃した湯気に顰め面をしながらソファに座った。
「…ただし、これは中途半端に聞いていい事じゃねえ。誰もが嫌な過去を持っているし、翠の過去は在りきたりな話かもしれない。
でも翠にとってそれは…誰よりも哀しく、想像を絶する辛さだったんだ」
「…はい」
「…俺はお前をある程度信用してる。翠が選んだ奴だしな。お前が翠の総てを受け入れて、一緒に支えてくれるやつだと思ったから話すんだ。…それを忘れるな」
「はい…っ」
ソファに座った俺を一瞥すると、京さんは静かに語り出した。
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