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地獄 6
「…たすけて」
自分の声が、やけに鮮明に聞こえた。
それに釣られるようにして目を覚ます。
起きたらすべて夢だった、なんて事はなく
そこは変わらず朝霧の部屋だった。
ただいつもと違ったのは、自分がふかふかのベッドで寝ているということ。
体も綺麗になっているし、幾分か空腹も満たされているような気がした。
朝霧の若頭が指示したのだろうか。
起き上がろうとしたけれど、そこまでの力は戻っていないらしい俺の体はピクリとも動かなかった。
「…ぁ、」
声もあまり出ない。
最近喋ってなかったからかな。
…助けてって言った自分の声は幻聴?
だとしたら相当やばいな、俺…
自嘲気味に笑った時、ピピッと鍵が解除される無機質な音が響いた。
「っ!」
それまで穏やかだった空気がピリ、と張り詰める。
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