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出会い 4
一ノ瀬side
翠が完全に眠りに入ったのを確認して、浅く息を吐いた。
梓から話は聞いていたが、ここまで酷いとは想像していなかった。
「あいつは加減を知らないのか…」
無理やり監禁して暴力ふるって怖がらせて…
不器用にも程がある。
「若頭が人に執着するなんて初めてです。今までは誰に言い寄られても見向きもしなかった。だから、きっと接し方が分からないんでしょう」
困ったように微笑む梓。
その顔には疲労が伺える。きっと翠をここへ連れてくるために散々こき使われたのだろう。そのあとのケアは丸投げされて、可哀想な奴。
「それにしてもやりすぎだ。このままだと、こいつ死んじまうぞ」
「それは若も重々承知だと思います。…庇うつもりはありませんが、若は感情の表現が上手くないだけで」
「それが問題だっつってんだよ。仁が普通に翠と接する事が出来るまで待ってたらその前に翠が死ぬ。頼むからあいつに、翠へした事の重大さを分からせろ」
「…はい」
俺の言葉を悲痛な面持ちで受け止める梓。
その表情にハッとさせられた。
きっと、翠を助けることが出来ずに1番苦しんでいるのは梓だ。
「…言い過ぎたな、悪い。ただ、仁と翠の側に居られるのはお前だけなんだ。頼むな」
「…はい」
重い腰を持ち上げる。
玄関まで梓は見送りに来た。
今にも泣きそうな梓の頭をぐしゃぐしゃとかき回してから、俺は扉を閉めた。
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