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どうしたらいい…side :詩音⑩
今朝もまた目が覚めると…裸のまま継の腕に抱き込まれていた。
眠い目を擦りながら、その胸からそっと抜け出そうとしたら、布団に引き摺り込まれた。
「継?お、おはようございます。」
「おはよう、子猫ちゃん。また俺を置いて逃げようとして。
一体どこに行こうとしてたんだ?」
「だって、朝ご飯の用意を…んっ、んむっ」
朝から濃厚なキスを食らった。
散々弄ばれて最後に ちゅっ と大きな音を立てて唇が離れた。
「俺が作ってやるから。まだここにいて。
んー…でも…」
嫌な予感
「俺は詩音を食べたいな。」
「…継、もう無理ですっ!だって、昨夜 もその前もっ。
毎日…その…あの…継に抱かれて…あの…」
「詩音は俺に抱かれるの嫌なの?」
「…嫌じゃない…です…けど、でも」
「じゃあ、いいよね!詩音…愛してるよ。」
「あっ…あっ、あんっ、継…やだっ!あっ、あっ」
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「ごめん、ごめんな、詩音…」
焦る継の腕の中で、俺はもう精魂尽き果てて、ぐったりと横たわっていた。
いくら番になったからとはいえ、継の性欲と体力についていく自信がない。
でも、それを『嫌』と拒否せず、本能のまま受け入れる自分がいる。
「…継…」
潤んだ恨みがましい目で見上げると
「…そんな顔されたら…また…」
と、甘い匂いを撒き散らして臨戦態勢に入ろうとする継からやっとの思いで離れて、身体を引き摺るようにバスルームへ逃げ込み、鍵を掛けた。
「しおーん!開けてー!しおーーん!」
ガチャガチャという音が聞こえたが、無視して継の匂いが残る身体を綺麗に洗い流した。
それでもますます濃い継の匂いが、途切れることもなくドアの隙間から流れてくる。
初めて好きになった人。
初めて肌を重ね身を委ねた人。
初めて心を許した人。
こんなんで大丈夫なんだろうか…でも、継から離れられない…継に捨てられたら、俺…どうしたらいい?
慣れぬことと不安が一杯で泣きそうになった。
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