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襲撃③

「詩音様、勝手に入りますが…お茶をお入れしてもよろしいですか?」 「…あ…はい、ぜひ。お願いしてもいいですか? お煎茶がここに。」 「はい、では。」 玄関からガチャガチャという音が聞こえたと思ったら 「詩音!詩音!無事かっ!?」 大声で叫びながら継が飛び込んできて、ぎゅうぎゅうに抱きしめられた。 「篠山さんっ、本当にありがとうございますっ! あなたのお陰で詩音が…ありがとう! 篠山さんもお怪我はないですかっ?」 「社長?私は当然のことをしたまで。 詩音様はご無事ですよ。私も大丈夫です。」 とニコニコしながらお茶を入れてくれていた。 継は俺の全身を摩り確認しながら 「あぁ…無事で…本当に無事でよかった…」 と涙目になっている。 そこでようやく俺は身体の震えが止まったことに気付き、継の匂いを胸一杯に吸い込んで言った。 「篠山さんのお陰で無事だったんです! 継、心配かけて申し訳ありませんでした。」 俺を1ミリとも離すまいと、抱き込んだ継は 「篠山さん、本当にありがとうございます。 あなたも怪我はないんですね?…よかった… それで、犯人は?」 「末端の雇われ…そこら辺のチンピラ崩れでしょう。 叩いても吐きようがないかと…。 社長、これは恐らく警告というか脅し。 本気ならプロを雇いますし、あんなわかりやすい下手は打ちませんよ。」 「…あの三ツ矢の娘か?」 篠山さんは俺をちらっと見て言うのを躊躇っていたが、俺が『大丈夫』と無言で頷いたのを確認すると 「ええ。恐らく」 「卑怯なっ…絶対に許さんっ!」 激昂する継に篠山さんは冷静に 「あの三ツ矢娘が絡んでいるのはほぼ間違いないでしょう。 詩音様がいなくなれば社長が手に入るという浅はかな考えで、単独で動いているようです。 でも逆にこのことで詩音様の警護が厳しくなるので、自分の父親からは大目玉を食らうでしょうね。」

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