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尾行!?④
出社後、事情を知っていた中田部長からは、
「あんなことがあったのに無理して出てこなくても…」
と心配されたが
「普通にしていたいんで、大丈夫です!」
と、至って淡々と溜まった仕事を進めたものの、やはり心身ともに負担がかかっていたのか、やっとの思いで仕事をこなして、その日は重い身体を引き摺るようにして家に帰ってきた。
「詩音…無理するな。
自分が感じてる以上にダメージが大きいんだ。
晩ご飯の用意ができたら起こしてやるから、少し横になるといい。
まぁ身体が辛いのは、俺のせいでもあるからな。」
ふふっと意地悪く笑う継に、反撃する元気もなく、俺はソファーに沈み込んだ。
そのうち瞼が落ちてきて、意識がだんだん遠のいていった。
「…詩音、詩音。起きれるか?」
軽く揺さぶられて、意識を取り戻していくにつれ、美味しそうな匂いを感じて鼻をヒクヒクさせる。
「…お腹空いた…」
瞬間、ひょいっと抱き上げられ、ダイニングの椅子に座らされた。
テーブルには豚の生姜焼きにほうれん草の胡麻和え。すぐに、ほかほかのご飯と、豆腐とワカメの味噌汁が置かれた。
「お前と違って簡単なものしかできなくてすまない。
食べてくれるとうれしいんだけど…」
遠慮がちな声に、ニッコリと微笑んで
「継、ありがとうございます。お腹空いて死にそうでした。
すごく美味しそう!いただきますっ!」
二人で“いただきます”をしてから夢中で箸を進める。
ご飯も味噌汁もお代わりをして、継を喜ばせた。
「明日に備えて今日は大人しく寝るから…その代わり、抱きしめさせてくれ。」
俺は継が相当に我慢を強いていることも知らず、継の発した言葉の望み通り、その懐に潜り込んで、大好きな匂いを嗅ぎながら眠りについた。
俺がすっかり寝入った後、継が一人寂しく処理していたことも知らない…
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