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尾行!?⑧

「詩音君?どうかした?」 香川先生が心配そうに俺を覗き込んできた。 「え?いえ…継が…継の匂いが…」 「ははーん…嫉妬だよ、嫉妬。 大切な番を取られると勘違いしてるんだ。 俺には伊織が。君には継が。 それぞれに心に想う大切なパートナーがいるのに。 何でも完璧な継が唯一、君のことで心を乱して荒ぶっている。 詩音君、君は本当に継に愛されてるんだねぇ。 あいつは人や物に執着したことがないんだけど、やはり君は特別みたいだ。 どうか二人幸せに…継を幸せにしてやって欲しいんだ。」 しみじみと話す香川先生から、慈愛の香りがしてきたけど 「でも、俺は伊織さんみたいに綺麗じゃないし、何もできない… 継と並んで歩く伊織さん…二人ともとってもお似合いで素敵だった。 俺…俺なんか継と並んでも…」 つい、泣きそうな声になってしまった。 「詩音君…伊織はね、俺のもの。誰にも渡さないよ。 伊織は伊織。君は君。 伊織は俺じゃないとダメだし、継は詩音君じゃないとダメなんだよ。 比べる必要はないよ。 詩音君は詩音君のままでいいんだ。 だって君…継に これでもかってくらいに愛されてるだろ?」 先生は笑いながら俺の胸元を指差した。 首を傾げながらその指先を辿ると…襟元から数多のキスマークが見え隠れしていた。 (うぎゃあーーーっ!!!!!) 声にならない声を上げ固まる俺を香川先生が笑いながら手を引いて歩かせる。 後方からますます継の怒気の匂いが纏わり付いて怖いくらいだ。 恥ずかしいっ!めっちゃ恥ずかしい! 『ヤりました』が服着て歩いてる感じ! オタオタする俺を見て楽しむような香川先生を恨めしく思いながら、調査は進んでいった。

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