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仲直りは…③

俺の涙をそっと舐めとり、頭をずっと撫で続ける継は 「お前の戸惑いもわかってた。ずっと緊張した匂いがしてたから。 時々振り向きながら俺に縋るような目を向けていたことも。 お前を守るためのこととはいえ、辛い思いをさせてすまなかった…」 「だったら、だったらどうして…終わった後…優しくしてくれなかったんですか? 俺は、俺は…『お疲れ様』って…頭を撫でてもらうだけでよかったのに… いつ襲われるかわからない…慣れない女装で痛いヒールを履いて…いくら香川先生でも、継以外の男の人と腕を組まされて…いろんなところに連れて行かれて… それに、こんなひどい顔で指輪なんて取りに行けないし…俺はもう本当に、離婚されるのかって… うっ、ひっく、うぐっ、」 あぁ、もう、ダメだ。 これ以上言葉が出てこない。 泣き出した俺を継が力一杯抱きしめた。 「ごめん、ごめん、詩音…心の狭い俺を許してくれ…」 ドクンドクンと心臓の音が、継の『ごめんね』の匂いと一緒に伝わってくる。 ばか。 ばか、ばか、継のばか。でも…大好き。愛してる。 「…怖かったよな…足も、痛かっただろ?見せてみろ。」 靴下を脱がせ、足首の擦りむけたところを見ると、手際よく絆創膏を貼ってくれた。

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