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jealousy⑤
地下から地上へ、海上から山頂へ。
あちこち連れ回されて、いくら調査とはいえ俺もいい加減腹が立っていた。
性懲りも無く何度も後ろからアイツに飛び蹴りを食らわせそうになったが、その度に伊織さんに優しく止められ、何とかその場をやり過ごしていた。
あの能天気なバカのことは伊織さんにお任せして(きっときっちりとお仕置きしてくれるはず。ぷぷっ、ざまーみろ。)詩音のことだけ考える。
苦痛な時間からやっと解放されて、指輪を受け取りに行こうと思ったが、詩音の様子がおかしいのに気が付いた。
詩音に聞かれないように、お義兄さんに明日に変更してもらうように電話をかけた。
「継君、詩音のために申し訳なかったね。
こちらはいつでもお待ちしてますから、ゆっくり休んでね。」
と快く了承してもらい、ホッとした。
本当は一日でも早く受け取りたかったのだけれど。
車内でも、詩音の匂いがおかしい。
怒っているような悲しんでいるような…
これが伊織さんの言ってた反動なのか?
そのうち、泣き出してしまった。必死で声を押さえているのだろう、肩が震えくぐもった声が漏れている。
あぁ、早く抱きしめたい。
よく頑張ったなって、思いっきりキスしたい。
アクセルを全開に踏み込んで、とにかく自宅へと車を飛ばした。
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