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絶対絶命!?①

side :詩音 頭がぼんやりしている。 どこかに運ばれているような…身体に振動がある。 俺、どうしたんだっけ? 危険な匂いがして逃げようとして、何かハンカチのようなものを口元に当てられて… 少しずつ覚醒してくる意識と、蘇る記憶をフル回転させた。 誘拐? 拉致された? 薄っすらと目を開けると、車の中だった。 どうやら手足は縛られてない。 スーツも乱れてはいない。 とりあえず、大丈夫だ。 けれどこの匂いは気持ち悪い。 不快感でムカムカする。 でも、その中にも憐れむような感情が混ざっている。 ぼそぼそと前席から声が聞こえた。 「…なぁ、いい加減こんな仕事、俺 嫌だよ。」 「でも、金になるじゃねぇか。 それに…逆らったらどんな目に遭うか…」 「わかってるよ。 でもさ、俺たちが攫ってきた子、一人死んだんだぜ。 あんな死に方、見たことがないよ… いくら今まで幾度となくそんな場面に立ち会ったとはいえ、気分のいいものじゃねえ。」 「…あぁ。狂ったように泣き叫んで…番だろうな、その名前を呼びながら痙攣を起こしてあっという間に死んじまった。 時々、夢を見るんだ。 『助けて、お願い…うちへ帰して…』 って。俺、取り憑かれてるのかもしれない…』 「止めろよー。早く引き渡して帰ろうぜ。」 「そうだな…」 会話はそこで終わったようだ。 攫われて命を落とした…桐生さんが言ってた子だ! コイツら、三ツ矢の手の者?許せない。 継に電話を! あれ?ない!あ…急いでから忘れた? 最悪だ… あ、でも俺の身体のGPSが起動してるはず。 それに望みをかけよう。

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