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絶対絶命!?④
宮原…国立Ω研究所のトップ…
香川先生の…上司…
なぜ?どうしてここに?
Ωを守る立場の最高位の人が、なぜ?
まさか、アイツらとグルになってスーパーΩのデータを横流ししてたのは…
「いやぁ、今回も先生の協力がなければできないことでしたね。
まさかGPSデータが改ざんされてるなんて。
今頃警察も右往左往してるはずですよ。
いい気味だ。
ターゲットのGPSを遠隔操作して、あらぬ方向へ移動したように見せかけるなんて。
あなたもなかなかやりますなぁ。」
「いやぁ、あなた方ほどではありませんよ。
…Ω達を守ろうと、うちの香川が陰で動いていたようですが…そんなもの、どうとでもなりますよ。
彼の努力は水の泡…ってとこですかね。
その代わり、たっぷりと礼ははずんでもらいますからね。」
俺のGPSが機能してないってこと!?
香川先生がチェックしてくれたのは無駄!?
俺の居場所は…わからないの?
最後の砦が崩れた。
そんな、そんなバカなことが…
継…継、助けて!!!!!
俺はここにいます!
絶望感に打ちひしがれて、泣くことも忘れていた。
いや、実際泣いてる場合ではないんだ。
この鎖…これを取らなければ。
でもどうやって?
周囲を見回しても、殺風景なこの部屋は何もない。
ポケットを探るけれど、社内で攫われたから空っぽだった。
焦る気持ちと今から自分に降りかかることへの恐怖で、身体が震えてきた。
継、継、継!
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