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安堵④

部屋のドアを閉め、完全に二人きりになった途端、体の力が抜けて玄関にへたり込んだ。 「詩音!?」 俺を抱きとめる継の力強い胸に、迷わず身体を預ける。 「詩音…よく無事で…俺の元に戻ってきてくれてありがとう… お前が連れ去られたと分かった時には心臓が止まるかと思った… どんなに怖くて心細い思いをしてるかと思ってたから…よく頑張ったな。偉かったぞ。 もう、俺の側から離さないからな。」 纏わりつく身体と継の匂い。 もっと。もっと束縛して。 俺があなたから二度と離れないように。 「…継、継…二度とあなたに会えないと覚悟して…舌噛んで命を断とうと…あんな奴らの言いなりになるなんて…嫌だ…怖かった…」 ぐすっ…えぐっ、ひぐっ 「よしよし。本当によく頑張ったな… 詩音、ちゃんと顔を見せてくれ。」 「…泣いて…不細工だから嫌です。」 「不細工でもかわいいから。」 そう言って頭のてっぺんからキスの嵐が降り注ぐ。 身体中を撫で摩られ、後から後から溢れる涙を舐め取られる。 くったりと力が抜け震える俺を抱きかかえ寝室へ運ぼうとする継に、思わず叫んだ。 「…継!俺、お風呂に入りたい!…気持ち悪いから…」 「わかった。一緒に入る。嫌だとは言わさないぞ。」 くるりと向きを変え、有無を言わさずバスルームへ直行する継。 俺も…抗う気は更々なかった。

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