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安堵⑧
密着した下半身は二人の先走りで しとどに濡れ、擦れ合う叢は絡まり合い、粘着質な いやらしい音を立てていた。
キスだけですっかり継を受け入れる準備のできている俺の後口は、中から溢れる淫液が溢れ出し、シーツに染みを作っている。
恥ずかしい
一瞬頭を掠めたそんな感情は、目の前の愛しい夫 の燃えるような眼差しの前に、どこかへ消えていった。
継は俺の手を恭しく掲げると、爪の先から舐め始めた。
一本一本、指の股まで。
指先から喉を通り鎖骨へ。
ぴりっとする痛痒さと、じゅっ という音が引っ切り無しに続いている。
何をされているのかは、見なくてもわかる。
明日の朝には…全身に継の印が満開になっているのだろう。
まだ触れられていない乳首は痛い程に尖っていた。
継は空いた両手で軽く撫でるように色付いた赤い粒を弄り始めた。
あっ
胸の先端から背中を抜け、全身に電流が走る。
くにくにと摘んで引っ張られたり、潰されて爪を立てられたり…
そこはもう、継に開発された場所の一つで、吐息と匂いが更に濃くなった。
赤子のように吸い付かれ、舌先で嬲られて、俺は急に起こった射精感に抗うことなく、己の欲を吐き出した。
はあはあと息を荒げる俺に
「詩音、いい子…乳首でイけるようになったんだな…
俺も…我慢できない…挿れるぞ…」
息つく間もなく剛直の楔が、ずぶずぶと抵抗なく入ってきた。
ぬるついた肉筒は、数多の襞を震わせてそれを受け入れ包み込んでいく。
はぁっ…と熱い吐息を漏らした継は、顔を赤らめて呟く。
「すごい…詩音の中、絡み付いてくる…熱くて火傷しそうだ…」
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