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いざ温泉⑩

言い方がオヤジ臭いか… それでも意を決したような表情の詩音は、先走りでトロトロに濡れ筋が浮き立った俺自身に、ゆっくりと両手を添えてきた。 触れられるだけでイってしまいそうになる。 雄の匂いを振り撒くそれに、詩音は躊躇いもなく唇を付けた。 ちゅっ びくりと反応して天を向く楔。 詩音は先端を愛おしげに撫でると、その小さな口でカリ首までかぷりと咥え込んだ。 温かい…柔らかい…気持ちイイ… 両手で擦られ、拙い口での愛撫に、我慢に我慢を重ねていた俺は、呆気なくその欲を吐き出してしまった。 勢い余って詩音の口から外れて、そのまま顔射してしまう。 「あっ!詩音!ごめん!目を開けちゃダメだ! そのまま、そのまま待っててくれ!」 大人しく目を瞑っている詩音を洗面所へ連れて行き、顔を洗ってやった。 タオルでそっと拭いて 「ごめんな…もう大丈夫だから。」 俺の匂いでマーキングされた詩音は、とろんと惚けたような顔をして 「…俺、継の匂いがする…」 と、頬を染めてうれしそうに呟いた。 本人に全くその自覚がないのだが、結果として扇情的に煽る詩音の匂いと姿に、俺はもう我慢ができなかった。 一度吐き出してもまた天を向く楔に、詩音はまた 「あぁ…継が俺をほしがってる…」 と頬を擦り寄せてくるものだから、また抱き上げて速攻ベッドへ運び、詩音を組み敷いて身体中に口付けして、その赤い跡を残しまくり、ベッドのスプリングも壊れんばかりの勢いで最奥を穿った。 亀頭球でもごりごりと擦り上げ、詩音を啼きに 啼かせた。 久し振りの詩音に夢中で、どういう風に抱いたかも記憶がなかった。 覚えているのは…詩音のこの上ない甘い匂いと、俺を呼ぶ声と、身体中を突き抜ける快感のみ。 気が付けば、俺を求める匂いを振り撒いて眠る詩音を抱きしめていた………

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