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ご対面③

「詩音?何言ってんだ? 詩音は美人だし、料理も上手で家のことも手早くしてくれてるだろ? そして何よりも俺を愛してくれてる。それが俺の活力にもなり、お前の存在そのものが俺の生活の全てなんだぞ? お袋はそんなこと思わないよ。」 継は、ちゅ、ちゅ と唇に軽いキスをすると 「そんなに不安なら…」 と俺の身体を弄り始めたので、慌てて継の膝から逃げ出した。 油断も隙もありゃしない。 性欲の塊と化したα。匂いもいつもより濃い。 もしかして…発情期(ヒート)? 一緒にいると、俺の身が持たない。 キッチンに逃げ込んで籠城する。 「…詩音…」 じりじりと壁に追い詰められる。 継の目は既にギラギラと光り、獲物を追い詰めた猛獣のようだ。 「継!もう、ホントに無理だからっ!」 「…何が無理なの?言ってごらん?」 見つめられながら両手首をそっと握られて、頭の上に固定された。 獲物を狩る肉食獣。いつもの継じゃない。 外そうと対抗するけど、ビクともしない。 怖いっ。 「継!嫌っ!離してっ!どうしてこんなことするの? 嫌っ!離してって!」 「俺は何もしてないよ…手を握ってるだけ。 なのに…どうしてそんなに嫌がるの?」 「だから!何でこんな拘束するの? 俺、継に何かした?離してって言ってるじゃない! こんなの…嫌っ!継なんか大っ嫌い!!!」 俺の言葉にハッと正気に戻った継はすぐに手を離し 「ごめんっ!詩音、ごめんっ!…怖かったよな… 発情期…近いのかも。 いつにも増してお前とずっといたから、 αの本能が出てしまったかもしれない。 怖がらせてごめん…そんな、俺を拒絶する目をしないで。 …薬飲んでくる…」 身体の力が抜けて、ズルズルと床にへたり込んだ。 初めて…継を怖いと思ってしまった…

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