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ご対面④

その後、継は書斎に閉じこもって出てこなかった。 食事の用意ができて呼びに行っても 「先に食べといてね。」 と、 優しく( ・ ・ ・)拒否された。 『ちゃんと言葉にしよう』って言ったばかりだというのに。 俺はノックもせずに書斎のドアを開けた。 継はぼんやりと座っていたようだったが、俺を見て勢いよく立ち上がった。 部屋中『どうしよう』って匂いで充満している。完全に叱られた大型犬だ。 「詩音…どうして…」 「お腹空きました。早く食べさせて。」 「えっ…」 「抱っこして早く食べさせて!」 途端に、ぱぁーっと破顔し、俺に抱きついてきた。 「詩音っ!ごめん…ごめんな…」 俺も抱きしめ返す。 ふわりといつもの甘い匂いに包まれた。 「…“何でも言葉にする ” さっきそう言ったばかりじゃないんですか?」 「…詩音」 「俺、初めて継を怖いと思いました。 …ごめんなさい。『大嫌い』なんて酷いこと言ってしまって…」 「…いや、いいんだ。抑制剤飲んだからもう落ち着いた。大丈夫だよ。 怖がらせてごめん。 いろんなことがあり過ぎて、流石に絶対的αの俺でもキャパ超えたらしい。 お腹空いたよな? せっかくの料理が冷めてしまう。 俺もお腹が空いて死にそうだよ。」 継に手を取られてリビングへ移動し、横抱きにされると 「詩音、あーん。」 素直に大きく口を開けてナスの揚げ浸しを入れてもらった。 ここ数日で、食べさせてもらうことに抵抗がなくなっていた。 俺も継に 「継?はい、あーん。」 継は、目を丸くしてびっくりした顔をしていたが、すぐに蕩けるような笑顔になり口を開けた。 「あぁ…美味い!詩音、ありがとう…」 その後奪われた唇は甘塩っぱい味がした。 --------------------------------------------- *オメガバースは自由に設定されていますよね。 この作品でも、Ωのようにαも発情期(ヒート)があるという設定で話を進めております。

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