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ご対面⑦
バクバクする心臓が口から飛び出しそうだ。
そんな俺を気遣うように継が俺の手をずっと握りしめて先導していく。
玄関に近付いた途端にドアが勢いよく開いた。
「詩音くーん!会いたかったよぉ〜!」
継を押し退けて、ぐいっと引き寄せられた俺は、ふわんと柔らかな優しい匂いと腕に包まれた。
お義母さん!?
「顔をよく見せて!あぁ、思った通り!!
継、でかした!
こんなかわいいお嫁ちゃんをゲットしたなんて!
さあ、詩音君、入って、入って!」
いきなりハグされて、顔をガン見され、ドギマギする俺をお義母さんが引っ張って連れて行く。
お義母さん…春の日差しのような暖かくて優しい匂い…それにワクワクドキドキ好奇心満載の匂いがする…俺、受け入れられてる?
継は繋いでいた手を切り離され、しばらく呆然と立っていたが、慌てて俺たちの後を追って来た。
「お袋っ!勝手に詩音を連れて行くなって!
詩音は俺の物だっ!」
お義母さんは継を無視してリビングのドアを開けた。
「パパっ!詩音君来てくれたよー!」
「ようこそ!仕事には慣れたかな?
継と結婚してくれて本当にありがとう!
さあ、こっちにおいで!」
「お義父さん、お久し振りです。お義母さん、初めまして。詩音です。
直接お顔を見て承諾を得なければならなかったのに、勝手に籍を入れてしまって申し訳ありませんでした。
不束者ですが、どうぞよろしくお願い致します。」
やっとの思いで挨拶をすると、にこにこ笑うお義父さんからも優しくて穏やかな良い匂いがする。
“ありがとう”って…
思わず、うるっとして視界が霞んできた。
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