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ご対面⑩

そんな俺を見ていた継は、お義母さん達に負けじと俺にくっ付き、また腰に手を回してきた。 と、そこへ… ばたーーん! 「ただいまー!お嫁ちゃんはどこー? あっ!詩音君!初めましてー!継の兄の潤ですっ! こっちは俺の嫁の右京。よろしくね!」 え…お兄さん?継に兄弟なんていた? お兄さんに手を取られ目を白黒して固まる俺に、継が 「あー…仲人の香川先生と一緒に詩音の両親と食事会した時に、家族構成からいろいろと話したんだが…詩音は…きっとキャパオーバーで頭に入ってなかったんだな…」 はっと気付いて立ち上がった。 「申し訳ありませんっ!詩音です。 どうぞよろしくお願い致しますっ!」 「こちらこそ!麻生田家の一員になってくれてうれしいよ!」 「詩音君、初めまして。右京です。 困ったことがあったら何でもいいから俺に相談してね。」 「はい!ありがとうございますっ!」 うわぁ…びっくりしたぁ… 継と似た顔立ちのお義兄さん…αの匂いがぷんぷんする。けど、嫌味のない、スッキリとしたメンソールのような爽やかな匂いがする。 右京さんアイドルみたいな顔…キリッとした炭酸水のような、それでいて穏やかで甘い匂い。 あれ? もう一つ匂いがする。 もしかして…俺はこっそりと小声で右京さんに耳打ちした。 「右京さん、ひょっとして…赤ちゃん、います?」 「え…潤にしか言ってないのにどうして?」 「赤ちゃんの匂いが…」 「そう!君、わかる子なんだね!今日、君達に会うのと、お義父さん達に報告のために来たんだ。」 「おめでとうございます!皆さん、喜ばれますよ。俺もうれしいです!」 「ありがとう。君達もすぐに…」 お義母さんの朗らかな声が響いた。 「さぁ、これで麻生田家全員集合だね!」 ほのぼの…という言葉がぴったりの匂いが部屋中に広がっていった。

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