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麻生田家②

「ということでさ、みんなに報告があります!」 「ん?どうした?」 「俺達に子供ができましたっ!!」 本当に!?やったぁー!おめでとう! おおっ、俺じいちゃんか!? やったぁー!俺、ばあちゃん!? よかったなぁ、悪阻は? いつ?いつ生まれるの? 男?女?どっち? お義母さん達の矢継ぎ早の質問に、お義兄さんも右京さんもフリーズしている。 でも、みんなからは溢れんばかりの喜びの香りと…赤ちゃん!? 赤ちゃんも喜んでいるっ! みんなの喜びに応えようと、精一杯の匂いを出している。 まだ小さくて外の世界にはまだまだ出てこれないけれど、俺達の言葉がわかるんだね! 思わずまたうるっとした俺の肩を継が抱いてきた。 「俺達に甥っ子か姪っ子ができるぞ。」 「はい!赤ちゃんも喜んでますっ!」 「そうか…詩音にはわかるんだったな。」 「継…」 「ん?どうした?」 「…俺達にも、いつか…」 「授かりものだ。焦らなくてもいい。 それに…子供ができたら詩音と繋がれない。 まだたっぷりと二人で楽しんでから…」 最後の台詞に、ぼっと顔が赤くなった。 継にぴったりと寄り添い、顔を赤くした俺に、お義母さんが 「こっちもラブラブでめでたしめでたし! あっ、出掛ける準備しなくちゃ! 右京君、身体冷やしちゃダメだよ!重たい物も持っちゃダメ! ご馳走作るから晩ご飯も、ここで食べて行きなさい。 お昼ご飯食べたら、お留守番兼ねて俺達が帰るまでのんびりしててよ。 みんなでお祝いしよう! 継と詩音君も食べてって! ね!」 パチンとウインクをしたお義母さんは、お義父さんを引っ立てて慌ててバタバタと支度を始めた。

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