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両家揃い踏み④

お義父さん、お義母さん… そんな風に思ってくれてたんだ… もう、俺は言葉も出なくて、ポロポロ涙を零していた。 継は俺の手を握りしめている。 緊張しているのか、感動しているのか、継の手も微かに震えているような気がした。 俺はお義父さんとお義母さんの真っ直ぐな生き方に感動して、この二人に育てられた継も同じだと確信していた。 「とにかく謝りたかったんです。 慈しんで愛情込めて育てた我が子が、結婚して家を出た途端に危険な目に遭わされて… 普通なら結婚解消、訴えられても仕方がないこと。 それでもあなた方は私達を責めなかった。 本当に、本当に申し訳ありませんでした。」 そう言ってお義父さん達はまた頭を下げた。 「もう、もう、いいんです! 事実も全部わかってます!あなた方のせいではないことも! でも、今日、こうやって来て下さって、きちんと謝って下さって… 詩音のことを大切に思って下さっているのが直にわかったので… あぁ、どうかもう、頭を上げて下さい! 実は…今日、何も仰らなければ、それなりの付き合い方をしようと思っていたんです。 あなた方のような御両親のお家に嫁ぐことができてよかった… 不束な息子ですが、どうか詩音のことをよろしくお願い致します。」 今度はお父さんとお母さんが頭を下げた。 俺も慌てて頭を下げた。 一瞬の沈黙の後 どちらからともなく笑いが起き、父親同士がガッチリと握手をしていた。 そしてお父さんと継が。 そっとドアが開いて、義弘さんがお茶を持って現れた。 義弘さんも目が潤んで真っ赤になっていた。 「詩音君、よかったね…」 精一杯微笑んで頷いた。 蓋を開けた途端に香る桜茶と、部屋中に香る安堵の匂いが俺達を包んでいた。

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