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両家揃い踏み⑤
その後は、もうただひたすらに和やかなムードで話が弾み、近いうちに食事をしようということでお開きとなった。
そしてそのまま、俺の両親も一緒に結婚式場に行って打ち合わせをしようということになり…
それを見越していたかのように、六人が十分に乗れるように、ミニバンをレンタルしていた継もすごいと思った。
不思議だったんだ。どうしていつものセダンじゃないのか。てっきり車検か修理に出してるんだと思ってた。
俺の両親も喜んで
「実は、私達の結婚式もそこだったんですよ。
偶然でもうれしいですね。」
と言うと、継のお義父さんが
「うちもなんですよ。
継が『ここにする』って決めてきた時は、びっくりしましたし、何だかうれしかったですね。」
等々、当時の思い出話や、お互いの馴れ初めのエピソードで後部座席は勝手に盛り上がっている。
「詩音…ビックリだよな。これは俺達そっちのけで話が進みそうだよ。」
「それでも、うちの両親も継のお義父さん達と意気投合してるみたいでうれしいです。」
「ははっ、そうだな。 おっ、到着だ。」
見事に咲いたバラのトンネルを潜り抜け、車から降りた俺達は、出迎えのスタッフに先導されて館内へ入った。
庭園だけでなく、あちこちに季節の花々が競うように咲き乱れ、それを見るだけでも幸せな気分になってくる。
控え室や教会の中、館内を隈なく案内され、粗方 継が決めていたプランに沿っての説明があり、衣装決めもすることになり、継と二人衣装部屋へ連れて行かれた。
残された四人も、モーニングを決めなきゃ とか、着物の着付けをどうしよう とか、身内の人数を合わせなくちゃとか、そちらはそちらでワイワイと賑やかに決めているようだった。
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