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右京さん③

右京さんから揶揄いやら歓喜やら戸惑いやら、いろんな匂いがしてくるけど、全く嫌な感じではない。 この人も…優しい人だ。 確信した。 「右京さん…継、みなさんに何話してたんですか?」 恐る恐る尋ねると 「あははっ!いやぁ、恥ずかしくって俺の口からは言えないよぉ〜。 うん、新婚さんっていいね!あははっ!」 何っ?言えない? そんなこと暴露してんの? ぼふっ と音が出そうなくらいに真っ赤になった。 「詩音君?…ごめん、ごめん、揶揄い過ぎた… ごめん、泣かないで!」 オロオロする右京さん。 あ、さっき泣いたばかりなのを誤解して、自分が揶揄い過ぎて俺が泣いたと思ってるんだ! そこへお義母さんがエプロンを持って登場した。 「右京君、はい! あれ?右京君…詩音君虐めた?」 「えっ!?いや、あの…はい…」 「違いますっ!お義母さんっ!違うんですっ! 右京さん、虐めてませんっ!!!!!」 「ふふっ。わかってるよ。冗談だって! …ほら…右京君も泣かないの! うちのお嫁ちゃん達は…ほらほら、二人とも泣き止んで! 結局、二人とも俺が泣かしちゃったのか… ごめんごめん、はい、ティッシュ。」 右京さんと俺は、お義母さんに交互に涙を拭いてもらって、顔を見合わせて笑っていた。 あ。俺、この人、好き。 「詩音君、ごめんね。度が過ぎちゃった。 あまりに継君がノロケまくるもんだから、つい。」 ぐすぐすと鼻を鳴らしながら、また右京さんが謝ってくれた。 俺は慌てて 「違うんです!恥ずかしくて真っ赤になっただけで…泣いてたのは違うんです! さっき、お義母さんが優しくって、うれしくって…それで泣いてただけで…右京さんのせいじゃないんですっ! ごめんなさいっ!」

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