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麻生田家 嫁自慢大会③
ちょっと待って…
三人ともシラフだよな?
まだアルコール…入ってないよな?
お義母さんのいいところを一つ披露しては、“かーちゃん愛してる”を連発するお義父さん。
潤の制止を振り切りR-18用語を散りばめつつ惚気まくる継君と、俺を抱きしめてそれを阻止しながら、盛大にノロケる潤。
聞いてる本人がメッチャ恥ずかしいんですけど。
小声で抗議する。
「ねぇ、潤!」
「んー?なぁーに?」
「恥ずかしいから、もう黙ってて!」
「何言ってるの? 俺がどんなにお前のことを思ってるのか言っちゃいけないの?
心外だな…帰ったらお仕置き…する?」
どきっ
「いや…それは遠慮する。」
「じゃあ俺に抱かれて聞いてて。」
あー、もう。何にも言えない。
言われた通り黙って聞いてるけど、ピンクのキラキラで目の前がチカチカする。
継君…君ってむっつりスケベだったんだね…
詩音君のかわいいのは十分わかったから。
あの子が笑うと、虹色のオーラに包まれるのが見えるから わかるよ。
すごくいい子だから、絶対に仲良くなれる。
お義父さんも。
今日はいつにも増して“かーちゃんLOVE”がすごすぎます…
息子二人にそんな対抗心燃やさなくても。
カオスだ…
三人の熱気とピンクのハートが飛び交う中で、俺は呆然と三人のバトルを聞いていた。
ますますヒートアップする自慢大会に、もう俺は限界だった。
これ以上ここにいたら、メンタルが破壊される。
何だよ、この羞恥プレイは。
今日は異常なくらい盛り上がるダンナ三人。
トイレに行くからと、腕の拘束を緩めてもらい、そっとリビングを後にした。
ほおっと一息付いて、潤に連れ戻されないようにキッチンへ逃げ込んて、お義母さんに訴えたのだった。
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