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ヤキモチ焼きの獣⑥
ぼぉっとして、うっとりと継の瞳を見つめながら、両手を伸ばして頬を包み込んだ。
「継…大好きです。」
継の顔が火を吹いたように真っ赤になり、ぼそっと呟いた。
「…チッ…詩音は無自覚に俺を煽る…」
俺の両手首を掴み自分の首に絡めさせ、ふわりと身体が浮いたと思った瞬間、シーツに縫い止められていた。
継は俺に跨り
「詩音…お前は俺のものだ。
例えお袋だろうが、義兄 さんだろうが、俺以外の人間に見せたくない。
触らせたくない。
だから俺だけに微笑んでくれ。
俺だけを愛してくれ。」
そう言うと、俺の胸に甘えるように頬を擦り寄せてきた。
急にどうしたんだろう。
例 の 『嫁自慢』で何かあったのだろうか?
独占欲がすごくなってるし、匂いがいつもより濃い。
帰りの車の中で、もう不機嫌だったし。
でも、まるでライオンか狼が甘えているようで…かわいい!
俺の胸に抱きついて離れない継の頭を撫でながら
「さっきから言ってるじゃないですか。
『継が一番。継だけを愛してます』って。
これだけは忘れないで。
『継は別格、特別』です。
俺が素の姿を見せるのも甘えるのも継だけなんですから。
でも、俺はお義父さんやお義母さん、お義兄さんや右京さん。それに会社の人達も大好きです。
だからみんなと仲良くしたい。
ね?ご機嫌直して…
継?」
継はそれには答えずに、俺の乳首にちゅっちゅっと赤ちゃんのように吸い付いて舐め始めた。
「あっ」
突然の甘い痺れに身体がびくりと反応した。
首を曲げて見下ろすと、尖り切った赤い粒が果実のように見え、淫猥な絵姿になっていた。
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