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ヤキモチ焼きの獣⑧
その時 顎を掴まれて、ぬるりと侵入してきた継の舌が俺の口内を暴れ回る。
「んぐっ、ふっ、んんっ」
粘度を含んだ唾液が喉を零れ落ちていく。
いつの間にかシーツに染みを作ったそれは、甘い匂いがした。
上下する胸に、継がそっと手を当て
「猛ダッシュしたみたいだな…詩音、キスでこれじゃあ、後が持たないぞ…」
「…はあっ、はっ…継…意地悪しないで…優しく…抱いて下さい…」
継は、ぽおっと頬を染めると
「詩音は俺を萌え死にさせる気か…」
と呟き、俺の膝を持ち上げ蕾を露わにすると、いきなり口付けてきた。
「あぁっ!継、嫌っ、やだっ!」
それにも構わず、継は後孔の入り口の襞を一本一本愛おしげに舐め、舌先をねじ込んできた。
その頃にはもう俺は、拒否の言葉を口にしながら、身体はぐずぐずに解れて蕩けきって、抗う気力もなく、ただ継の愛撫を受け入れていた。
中からとろりと甘い愛液が溢れ出してくるのがわかる。
ぺちゃぺちゃと淫猥な音が自分の下半身から聞こえ、俺の股間に頭を埋めた継からは、甘ったるいいやらしい匂いがしている。
俺の意思と関係なく、快感を拾い続けている身体は、ぴくぴくと弱い痙攣を起こしている。
頭の中はこれから先の凄まじい快楽への期待でいっぱいになっていた。
突然、舌先が抜け、物足りなさに「あ…」と声を漏らした俺に、継は
「優しくしてやりたいけど、俺も限界。
お前の中に入らせてくれ…」
と、淫液でぐっしょりと濡れた剛直の楔を二、三度擦り付けたかと思うと、ずぷりずぷりと挿れ始めた。
舌先なんか比べ物にならないその重量感に、喉がひいっと鳴ってしまう。
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