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ヤキモチ焼きの獣⑨

ああっ…これ、これがほしかったんだ… 体内に捻じ込まれていく継の熱い楔。 酸素を求める魚のように はふはふと口を開け、それでもなおキスを強請る。 ぶわりと噴き出すフェロモンに悶え、腰が揺れる。 快楽の海を漂い、尾びれを揺らめかせて泳ぐ魚になったようだ。 顔だけでなく、全身は ほんのりと桃色に染まり、溢れそうな涙で目は潤み、待ち望んでいた快感に身を委ねていく。 そんな俺の頬を撫で見つめる継は 「詩音、色っぽい…そんな顔、他の誰にも見せちゃダメだよ…」 と言いながら、繰り返しキスをする。 ちゅくっ ちゅくっ 頭も身体も痺れていく。 継に…溺れていく。 継が俺を突き上げる度に、身体の中から何かが弾けていく。 埋め込まれ、奥まで擦りあげられ、快感を拾うことしか考えられない。 楔がギリギリまで出て行こうとすると、内臓を引き摺り出されそうな感覚に陥る。 「ああっ…あっ…はあっ…あ…」 口から溢れる嬌声を止められない。 継の責めはますます激しくなる。 俺の腰を掴み、砕けんばかりに太い楔を打ち込んでくる。 それが嫌じゃない。 その太く熱い楔を軽々と飲み込んでいる俺の身体。 すっかり継に変えられてしまった。 ああっ…奥まで…もっと奥まで、あなたをください… 俺をもっと愛して… 声にならぬ声は継に届いているのか。 ふっ と継が微笑んだ気がした。 「詩音…お前が望むように、たっぷりと奥まで愛してやるから…俺を受け取れ!」 俺の気持ちは継に届いていた! 次から次へと溢れ出る甘ったるい匂い。 言葉にしなくても伝わる番の匂いが、雄弁に俺の心を語っていた。 継からも…あぁ、何ていい匂い…大好き…

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