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家出人その2⑦
「ヤキモチはすごいし独占欲も強い。
四六時中側に置きたがるし、離れると拗ねる。
少しでも拒否すると喧嘩になっちゃう。
今日の俺達みたいに。
だからね、伊織さんに教えてもらったんだけど、さっきみたいにプライドを擽りつつ甘えてあげるんだ。」
「あ…お義兄さん、残念そうにしながらもすんなり右京さんを解放してた!」
「うん、そうそう。
お陰で誰の前でもキスは平気になったよ!
その方が潤、喜ぶんだ。」
「キス!?甘えるの…俺、すごい苦手なんです…」
「耳元で『好き』とか『愛してる』って言うだけでもOKだよ!
もう、とにかく番を溺愛するからね。その溺愛する番から甘えられると至福なんだってさ。
絶対的αの性格だから、咎めても何してもダメなんだよ。
お義父さん見ててもそうでしょ?
そういった甘え方はお義母さんが上手いんだ!
何でも教えてくれるよ。」
「…えっ…聞きにくい…」
「大丈夫!お義母さん、全然気にしないし。
そのうち、ノロケ話になるんだけどね。
でも…こっちが乗り気じゃない時に求められてもね…」
「そうなんです!結局流されちゃうから…後が辛くって…」
「うんうん。
そんな時は『お腹が痛い』とか『頭が痛い』とか、具体的に都合が悪いことを前面に出して、尚且つ『元気になったら愛してね』って言うと、あっさりと引いてくれるよ。
挿れるのしんどいからって、手や口で満足させることもあるし。」
「はぁ…そうなんですか…何だか、ハードルが高い…」
赤裸々な言葉に頬を赤らめつつ答えると、右京さんは
「でも、俺は潤のことを愛してるから、結局何をされても、許しちゃうんだよ。」
と笑ってウインクした。
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