310 / 829

カウントダウン⑩

底なし沼のような俺の(たぎ)った性欲は、(とど)まるところを知らず、ひたすらに詩音を求め、その最奥を抉り突き進めていた。 その頃には詩音は、意識も飛び掛けているが、俺の首にしがみ付いたまま、甘い声と吐き出すフェロモンが俺にその想いを伝えていた。 愛おしい詩音… わかってる。 十分過ぎるほどお前の気持ちはわかってるよ。 俺のことを…『愛してる』って。 俺だって。 俺だってお前のことを愛してる。 誰にも渡したくない。絶対に。 俺からも吹き出し続けるフェロモン。 想いを込めてキスをし、責め続ける。 熱を放出する体内のカウントダウンが始まった。 俺も、もう限界に近い。 この昂ぶった熱を早く早く愛する者の身体に吐き出したい… 一際強く突き入れると、詩音の奥まで届き、大量の液体は詩音の体内に受け入れられていく… あぁ…何て気持ちがいいんだ… どくどくと放たれる俺の分身達。 抱きしめるその腕に急に重みが加わった。 詩音は力尽きたのか、ぐったりと俺にその身体を委ねて大きく息をしていた。 「詩音?大丈夫か?」 薄っすらと目を開き少し首を揺らすと、また目を閉じてしまった。 完全に飛んでしまったか… 射精に納得した俺の身体は、詩音の身体から抜けるサイズに戻っていた。 詩音の腰を浮かせてゆっくりと抜いていくと、しばらく滑った音がして、抜けた瞬間、ごぷごぷっと白い液体が流れ出した。 詩音を抱いたまま、取り敢えず掻き出して始末をすると、そっと横たえた。 目尻から溢れる涙を拭き取りキスをすると、詩音の身体を清める準備をするために部屋を出た。

書籍の購入

ともだちにシェアしよう!