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矛盾する想い②
そう、嫌じゃないのが困るんだ。
継に抱かれて眠って、また抱かれたまま目覚める。
それが心地良くて、心も身体も満たされて、何とも言えない…
こんなに幸せでいいんだろうか。
後でドカンと不幸せがやってくるんじゃないのか?
ある日突然『お前はいらない』なんて言われたりしないんだろうか?
あぁ、また否定的な考えが湧いてくる。
こんなこと思ってたら、また継に叱られる。
「詩音…またぐるぐる一人で思い込んでるだろ?
ほら…こっちにおいで。」
ぶわりと継のフェロモンに包まれて、思わず胸に擦り寄って、すんすんとその匂いを胸一杯に吸い込んで自分を落ち着かせる。
ほぉっ と一息つくと
「詩音…愛してるって言ってるだろ?
何なら俺の顔に書いといてやろうか?」
頬をつつきながら継に笑われた。
だって…俺だって真剣なんだよ!?
むうっと膨れる俺の頬にキスをする暴君がささやいた。
「そんなに不安なら…抱いてやるぞ?」
まだ柔らかな後孔を撫でながら意地悪く言われた。
びくんと身体が跳ねるが、継を軽く睨んで首を横に振った。
それに構わず、つっ…と指が差し込まれ「あんっ」と甘い声が唇から零れた。
昨夜の余韻が残るソコは、俺の心と裏腹に躊躇なく継の指を飲み込んでいった。
明らかに濡れている肉筒は、指を咥え込んで離さない。
すぐさま俺の感じるところを探り当てた指は、そこへキスするかのようにトントンとノックする。
堪らず身悶えする俺に
「俺も治まりそうにないから…入れるぞ。」
引き抜かれた指の代わりに、もっと太く熱いものが入ってきた。
俺の愛液が滴り落ち、ぐちゅりと音がした。
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