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嫁の自覚④

目尻に瞼に優しいキスを何度も落とされる。 大好きな匂いが俺を包み込む。 離れたくなくて、継の襟元をぎゅっと握り込んだ。 俺からも…甘く継を誘うフェロモンが漂い、継を包む。 高ぶる想いが溢れ過ぎて、身体が震えている。 「…継…」 「ん?どうした、寒いのか?ほら、もっとこっちにおいで。」 ふるふると首を振って…勇気を振り絞って言葉にする。 今までの俺とは違う。 継を守る強い俺に生まれ変わったんだ。 「…継、継、大好きです。愛してます。 俺を…俺を抱いて…下さい…」 ひゅぅっ と継の喉が鳴った。 瞬間 息が止まる程に抱きしめられた。 更に息苦しいくらいの濃くて甘いフェロモンが継から雪崩れ込んでくる。 「詩音…お前って子は…あぁ、何て愛おしいんだ…」 顔中に降ってくるキスの嵐。 「加減できないかもしれない…いいか?」 「…それは困ります…仕事ですから…だから、加減して…抱いて?」 「あぁ、もう…詩音っ!」 ちゅっ ちゅくっ ちゅっ 難無く口内に侵入してきた舌に嬲られて頭がぼおっとしてくる。 口内を妖しく貪られて腰が疼いて堪らない。 腰はゆらゆらと揺れ始め、快楽に対する正直さに呆れ果てる。 継の大きな熱を帯びた手が、布越しに 頸から割れ目まで一直線にゆっくりとゆっくりと上下する。 その熱が伝染するように、触られた所から熱が放出され、焦れる。 はぁっ…と熱い吐息が口から零れる。 痛いほどに張り詰めた俺自身からはとろりと先走りが流れ落ち、後孔はヒクつき、身体の奥から湧いてきた蜜液が、下着に吸い取られ甘い匂いで継を誘っていた。

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