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甘える獣⑤
耳元から侵食されていく…
継のフェロモンに逆上せて意識が遠のきそうになる。
ぼぉっとしていると、いつの間にか頸を舐められ、ワイシャツのボタンを外した継の手が胸の突起を弄っていた。
あんっ…そこダメっ…
ダメ、ダメだ!
流されちゃダメっ!
ふるふると首を振って
「ダメ!もう少し待って…ご飯は食べなきゃダメです!
俺は、ちゃんと準備してから、継とたっぷりと愛し合いたい…」
掠れ声で懇願すると、固いモノを俺に押し付けながら
「…わかった…もう少しだけ我慢する…
詩音が足りない。詩音…早く…」
「わかったから、ちょっと離れて下さい。」
仕方がない。メニュー変更だ。
唐揚げにしようと思ってたのに…親子丼にしよう!
渋々離れた継は、“待て”を言い渡されたお預け状態のワンコだ。
切ない目をしてできあがるのを待っている。
そんな目で見ないで…キリキリと胸が痛む。
俺だって…俺だって、継がほしいよ。
俺の匂いでわかるでしょ?
「いい子で待ってて下さいね。」
ぱぱっと作り終えると
「はい、お待たせしました。さあ、食べましょう!
…今日は抱っこは無しですからね。」
「…抱っこしたい…抱っこ…したい…」
くしゅんと項垂れた大型犬。
心なしか目元が潤んで見える。
あぁ、もう、この人は…世話の焼ける男 !
俺は無言で自分の食器を継の前に移動させると、継の膝に横座りした。
その時の継の顔ったらなかった。
デレッデレにデレたイケメンは、俺の顔中にキスすると、いつものようにスプーンを口に運んできた。
俺も…キスを一つだけ返して、大きな口を開けて待つ継に食べさせてあげたのだった。
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