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捕食⑨

継の楔の先端が奥に捩じ込まれる。 その後にやってくるとてつもない快楽と浮揚感を思うと、お腹の奥が勝手に収縮を始める。 無数の襞は継の楔にしがみ付き、それらを掻き分けて抽挿する楔は熱の塊となる。 どのくらい擦られてるのか、どこまで受け入れているのか、最早わからない。 シーツを手繰っていた俺の手は、継を探して彷徨う。 それに気付いた継がその手を掴み、自分の腕に絡ませた。 縋るものができた俺は必死に継の腕を掴み、力強い律動に耐えていた。 継の腕に食い込んでいく俺の爪。 喉を鳴らして笑う継の甘い匂いと、全身を駆け巡る快楽の渦に、ただ嬌声を上げる。 中にいる継がぶわりと膨らみ…爆ぜた。 叩きつけられるように出された愛液が、じわりじわりと身体中に流れていくような錯覚に囚われる。 もう、指一本、瞼すらも動かせず、継が今どんな顔をしているのか…満足しているのか足りないのか、見ることもできない。 「…詩音…」 掠れた声と温もりに覆い被さられ、継が上から抱きしめているのだと感じた。 二人の合わさった心臓は跳ねるように大きく動いている。 俺の息はなかなか整わない。 髪の毛を 頬を 唇を (いと)おしむように、そっとそっと撫でられる。 涙を啜られ、擽ったいのに動かすこともできない。 空気が動いて継が離れていく。 あっ、嫌だ。もう少しこのままでいて。 縋ろうとする手も上がらず、引き止める言葉も出せず、出るのは涙のみ。 下半身に甘い疼きが走り、ぴくりと反応した俺から、ずるっ と継が抜けていった。 こぷこぷと流れ落ちるのは、俺の中に注がれた継の分身達だ。 …シーツが汚れちゃう やっとそんなことに気が回るようになっていた。

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