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獣の躾②

ワガママな猛獣は俺の顔中にキスをしてくる。 「しおーん…ねぇ、起きて…いい子だから… 詩音…」 パジャマの裾から侵入しようとする手をぺしっと叩いた。 「本当に、今日は無理ですっ!お願い、寝かせて! 言うこと聞いてくれないなら…俺一人でソファーに行きますっ!」 びくっ と継が引いた。 「それはダメだっ!詩音は俺と一緒じゃないと! …わかった…今夜は大人しくするから、いつものように一緒に寝てくれ…」 継が渋々折れたようだ。 よかった…今夜はやっと眠れる… ふわふわと、少し不満と悲しみの混じった匂いがしてくるけれど、今夜は無視、気付かないフリをして目を瞑る。 愛してるけど、ちょっと本当に今日は無理。 継、ごめんなさい。 次第に重くなり、閉じてゆく瞼にキスをされた。 ごめんなさい、お休みなさい、継… 明日は…ちゃんと… 甘い匂いが鼻について目が覚めた。 今、何時だろう。 あ…もうそろそろ起きなければならない時間だ。 ん?何か肩口がスースーする… えーーーーーーーっ!! 裸だ… 俺のパジャマは!?どこ!? 一糸纏わぬ姿に戸惑いを隠せない。 暑くて自分で脱いだ? そんな訳はない! ハッと気付いて目の前の夫を見ると…裸だ… やられた…継の仕業だ… くんくんと腕の匂いを嗅ぐと、ほんのりとボディソープの匂いがする。 胸元に赤い点々が… 後孔にも何か違和感がある。 まさか…まさか寝ている隙に? 継をまじまじと見つめて硬直していると、うーんと伸びをして瞬きをした継が呑気に声を掛けてきた。 「詩音、おはよー」 「…継…どうして俺、裸なんですか?」 「ん?詩音が起きないから…ちょっとだけ…」

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