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やっぱり、大好き⑧

むしゃぶりついていた唇から少し距離を取った。 銀糸が二人の唇を繋いでいる… そして、それが ふつっ と切れた。 はぁはぁと息を切らし、継の顔を見つめる。 キス…しちゃった。それも自分から。 舌を絡め、しゃぶりついて。 はしたない、いやらしいって思ってるだろうか。 じわりと目が潤んで、視界がボヤけてくる。 「詩音…」 たったひと言、名前を呼ばれただけなのに、身体の奥が ずくん と痺れた。 言わなきゃ。 俺も伝えなくちゃ。 「継、俺も…俺も、愛しています。 継が本当に俺を愛してくれているのもわかってます。 それでも… 言われて嫌なこともあるんです。 されて嫌なことだってあるんです。 でも、それを受け入れる器が今の俺にはない… 継の言葉一つに翻弄される。 継はαで、俺はΩで。 所詮Ωは、性欲処理にすぎないって… だから、また前みたいに自分を否定して閉じこもってしまう… 愛してるから許せないことだってあるんです。 俺だって、あなたを愛してる。 それは、わかって、継…」 黙って聞いていた継は、そっと俺を抱きしめると 「詩音…どれだけ謝ればいいかわからない。 こんな俺、もう愛想が尽きたか? 嫌いになったか? …そうだよな。愛する伴侶の気持ちも組んでやらずに好き勝手してるような男だもんな。 詩音なら…何でも受け入れてくれると思い込んでた。 大切なお前の気持ちを一番に考えなければならないのに。 勝手な思い込みで嫌な目に遭わせてすまなかった…」 「継…」 ぎゅ っと胸元に縋り付くその指をそっと外されていった。 その行為の真意を図りかねて声を掛けた。 「継?」

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