407 / 829

後悔③

それからすぐに返信があった。 『承知致しました。 では、お待ちしています。 あまり気に病まないようにね。 お休みなさい。』 と。 《それだけではない》 一体詩音に何があったのだろう。 あー…考えても仕方がないか。 明日になればわかることだ。 原因がわかれば、根こそぎ詩音の負の感情を取り去ることができるかもしれない。 俺の愛しい詩音には、いつも笑顔でいてほしい。 いや、そうしてやる。 俺の側にいれば、安心して前を進んでいけることをわからせてやる。 待ってろ、詩音。 決意も新たに、昂ぶる自身を宥めつつ眠りについた。 いつもの朝。 キッチンからいい匂いがする。 俺のための朝食とお弁当だ。 泣きそうになる。 「詩音、おはよう。」 努めて平静を装いながら声を掛ける。 「…おはようございます。」 元気がない。 まだ落ち込んでいるんだろう。 一緒に食べるが、会話は弾まない。 片付けを済ませて、詩音を呼んだ。 「詩音、こっち来て!詩音を補充させて。」 おずおずと近寄ってくると、ぼふっと俺に抱きついてきた。 詩音が…自分から抱きついてくれた…それだけで心が震えるくらいにうれしい。 ちゅ とキスをすると 「これで午前中は頑張れる。 お昼にまた補充させてくれ。頼む。」 少し潤んだ目で頷く詩音。 うっ…反則だ。その目は反則だよ、詩音。 思わず勃ちそうになる俺のジュニアを必死で押さえ込み、家を出た。 頷いてくれたから、今日はちゃんとお昼に来てくれる。 抱きしめてキスして…夕べの分も詩音をチャージしなければ。 詩音不足で倒れてしまうよ。 そうして午前中に1日分の仕事を済ませ、昼には詩音を抱っこして一度だけキスして、お義兄さんの店へ向かった。 もちろん詩音には内緒で。

書籍の購入

ともだちにシェアしよう!