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後悔④
「やぁ、継君、お久し振り!
どうなの?…大変なことになってるの?
さあ、奥へどうぞ。」
「お義兄さん、お久し振りです。お忙しいのに時間取っていただいてすみません。
緊急事態なんで…」
奥のオーナールームに通され、お義兄さん自らコーヒーを入れてくれた。
「それで?詩音はどうしてるの?」
「仕事には行ってます。
が、元気がありません。また自己否定して落ち込んでるんだと思います。
今までも何度もあったんです。
でも、その都度乗り越えて俺に心を開いてくれたんだと思ってたんですが…
ここまで強い自己否定をするには、何か訳があると思いまして。
あの…学生時代に襲われたこと、未だに尾をひいているのでしょうか?」
「うーん、あの時はね、ものすごく落ち込んでた。
学校にも行けなくなってさ。
未遂だったんだけど、『Ωのくせに』とか『黙ってヤられてりゃいい』とか、とにかく酷いことを言われたらしい。
うちの義弘にも聞いてみたんだが、かなり落ち込んでたけど、それは継君という番ができたことで昇華してるはずだって。
あのとき、詩音が立ち直るきっかけになったのは、義弘のお陰なんだ。
その義弘が、他に何か…Ωを否定する原因があるはずだって言うんだよ。」
「じゃあ、一体何が…」
「それでね、俺もいろいろ思い出してみたんだが…俺の両親のせいじゃないかと。
たった一つだけ、思い当たる節があるんだ。」
「え…お義父さんとお義母さんの?」
穏やかで優しくて包容力があって、スーパーΩの詩音を一身に愛して育ててきたご両親の!?
「だってお義兄さん、詩音は愛情たっぷりに育てられて…」
お義兄さんは大きく頷いた。
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