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後悔⑦
お義母さんの目は既に真っ赤になっている。
後から入ってきたお義父さんも眉間に皺を寄せて口を真一文字に結んでいた。
俺は、詩音の異常に強い自己否定についてを
お義兄さんは、それが学生時代に襲われたことが原因ではなく、中学二年の時の両親の“あの会話”がキッカケで、それから詩音が変わったことを
それぞれに順序立てて説明していった。
ご両親は黙って聞いてくれた。
お義母さんは、ずっとハンカチで目元を押さえたままだった。
「そんな…私達も忘れていたのに…
私、そんなこと言ったなんて…
きっと売り言葉に買い言葉で、頭に血が上って言ったんだと思うの。
そう言えば…すごい高熱で、病院に行っても原因がわからなくて…
三日目に自然と熱も引いたから、その後は特に気にしなくて…
詩音…詩音に何て言って謝ればいいの?
私『産まなきゃ良かった』なんて、これっぽっちも思ってないのに!」
最後の方は涙声で…
お義父さんはその震える肩を抱き寄せた。
お義兄さんが口を開いた。
「詩音に言ってやれよ。
『私達の元へ産まれてきてくれてありがとう』
って。
それで十分じゃないのか?
詩音だって今から親になるんだ。
親の気持ちがわかる時が来るよ。
ね?継君。君がいるからきっと大丈夫だよ。」
「私はどんな詩音でも愛しています。
でも、詩音にはいつも笑顔でいてほしい。
詩音が笑ってくれるなら、何でもします。
お義父さん、お義母さん、お願いします!
どうかお力を貸して下さい!」
頭を下げる俺の肩に、そっと手を置いたお義父さんは
「お願いするのはこっちだよ、継君。
詩音を本当に愛してくれてありがとう。
詩音に会えるかな?
早い方がいい。
早く誤解を解いて楽にしてやらないと。
継君、今夜詩音を連れてうちに来てくれないか?
ちゃんと話をしたい。」
「もちろんですっ!」
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