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懺悔②
俺は詩音を更に強く抱きしめた。
「分け隔てなく…というより、お前には甘かったかもしれない。
外に一歩出れば敵だらけだ。
せめて家の中では、お前が幸せに過ごせるようにと、ある意味甘やかして育てたかもしれん。
逆に言うと、正樹にはキツく当たったかもしれないな。
はっきり言うが…
お前がΩだとわかった時に、最初に思ったのは『苦労するだろうが、愛する伴侶に出会って人生を歩んでほしい』ってことだった。
Ωだから、とか、スーパーΩだから、とか、そんなことはどうでもよかった。
五体満足で俺たちの元へ産まれてきてくれてありがとう…と感謝したよ。
αじゃなくて残念だ、なんて全く思わなかった。
これは信じてほしい。
Ωということで、嫌な目に合わせてしまう…そのことだけが不憫でならなかった。
だから…
ただひたすらに『幸せになってほしい』…その思いで一杯だった。」
「私は…詩音のベータがわかった時に、『この出産の痛みを味合わせてしまう、ごめんね。』と思ったの。
私と同じようにΩとして、嫌がらせを受けたり、阻害されたり、今からの苦労を考えた時に『αに産んであげられなくてごめんなさい。』って。
でも、でも、『産まなきゃ良かった』なんて思ったことは一度なんてない!!
私達を親として選んで産まれてきてくれたあなたをそんな風に思うはずがない!
…あの時、なぜそんなことを言ったのか覚えていないのよ…
今日、正樹に聞いてから、冷静に思い返していたの。
思い出したのは…
私の母…あなたのおばあちゃんに、いつも言われていた言葉だったのよ…
それが辛くて、その言葉に蓋をして閉じ込めて、忘れようとしていたんだわ。
それが、Ωを…私達を全否定されて、噴き出したのね。
詩音、ごめんなさい。
あなたをずっと、ずっと苦しめてきて…
ごめんなさい…」
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