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解放②

らしくなく、急ブレーキを踏んでいつもよりもかなり斜めに駐車した継は、無言で俺の手を掴むと、エレベーターへ向かってずんずんと歩いて行く。 前につんのめりそうになりながら、引き摺られるようにしてエレベーターに乗り込むと、いきなり口を塞がれた。 「んむっ?んっ、んむっ…んっ」 監視カメラが作動してるとか、誰かが乗ってきたらどうするのとか、言いたいのに言葉にできない。 腕を突っ張ってもビクともせず、顔を捩ってかわそうとしても、どこまでも唇は追ってきて吸い付いて離れない。 酸素不足になって、膝がかくんと抜けた。 今度は横抱きにされて、そのまま運ばれる。 舞う風に吹き散らかされるフェロモンが、辺り中漂い、空へ登っていく。 壊しそうな勢いで鍵を開けた継は、ドアを閉めた瞬間、俺を強く抱きしめて言った。 「今夜は…嫌だと言っても抱くぞ。」 このままは嫌だと、反論しようと開いた口をまた塞がれて、舌を入れられる。 ぴちゃぴちゃと滑る音に、羞恥で全身が赤くなってきた。 舌を絡め、口内を舐め尽くされ、擽られる上顎に身震いする。 火傷しそうな熱い舌に嬲られて、張り付いた喉から ひゅうひゅうと乾いた音が鳴る。 段々と抜けていく身体の力。 息苦しくて首を横に振るけれども、離してはくれない。 「ま…って…け、い、待って…」 やっと、絞り出すように声を上げると、少し離れてくれた。 大きく息をつきながら、涙目で訴える。 「このままじゃ…嫌。 シャワーを…浴びさせて…お願い…」 継は無言で俺を抱えたまま、バスルームへ直行した。

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