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解放④
崩れ落ちそうな身体を逞しい腕に支えられ、シャワーの下に立たされた。
僅かにひんやりと冷たかった床のタイルが、すぐにお湯で温められていく。
程よい温度のお湯が肩を流れ、継の手もそれに合わせて肌を滑っている。
掠れた声で
「…自分で洗いますから…」
と、やんわり拒否しても、つむじにキスを落とされ
「頭を洗うから目を瞑って。」
と、取り合ってくれない。
導火線のついた身体は、もう冷めることはなく、ひたすらにその温度を上昇させていく。
頭をわしゃわしゃと洗われて、俯く視線の先には、浅ましくも首をもたげた俺自身がいた。
継に見られる!
反射的に両手で隠すと、そのことに気付いているはずの継は、素知らぬフリをしてシャワーを止めると、俺の身体を泡だらけにし始めた。
見る間に泡に覆われた俺に
「詩音、子羊みたいだな。かわいい。」
と、訳の分からないことを言い出した。
「なっ!?何で子羊なんですかっ!?」
「子羊ちゃんは、悪い狼に食べられちゃうからだよ…」
セクシーな声で、耳元でささやかれ、また身体が火照る。
ズルイ。もう、意地悪止めて。
泡を伸ばすように、俺の身体を洗い始める。
胸の粒をワザと掠めるような洗い方に、思わず吐息が漏れた。
泡の下で、俺自身が微かに びくびくと上下に踊っている。
不意打ちに、するりと お尻の狭間に何かが触れてきた。
後孔をトントンとノックされ、さっきからヒクついて愛液を流しているソコは、継の指を簡単に受け入れた。
「ひうっ!」
いきなりの快感に背筋に電流が走る。
「…詩音、いい子…こら、そんなに締めるな。力を抜いて…」
困ったような継の物言いに反論する。
「しっ、締めてなんかいませんっ!」
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