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解放⑥

「…ゃ…ない」 「え?」 「嫌…じゃない。 あんな…指だけでイったのが、恥ずかしかっただけ…」 「詩音…」 ぎゅっ と抱きしめられる。 ぶわりと継の甘い匂いに包まれる。 それに応えるように、俺からももっと甘い匂いが継に纏わり付く。 近付く唇は魅惑の赤い色…少し口を開いて、熱い舌を待つ。 ぬるりと遠慮もなく入り込んでくる継の舌は甘く、おずおずと舌先を絡める。 戯れるようにねっとりと嬲られて、混ざる唾液が口の端から零れ落ちていく。 上顎を擽られて こそばゆくて、首を捩って離れようとするけれど、許してはくれない。 突然に胸の粒に電気が走った。 片手の手の平で、コロコロと転がされていたのだった。 継に慣らされて、そんなところもすっかり性感帯になってしまい、少しの刺激でも堪らないくらいに感じてしまう。 「んんっ…」 くぐもった声が鼻から抜けると、継がうれしそうに、指でカリカリと引っ掻いてくる。 甘痒いその痺れに反応して、もぞもぞと腰を動かせば、今度は両手で弄られる。 唇が少し離れていった。 口寂しくて、継の頬を掴もうと追いかけた、その手をそっと握られて 「お前が感じてるとうれしい。 もっともっと、俺の身体の全てで気持ちよくしてやりたい。 詩音、俺のために啼いてくれ…」 朱に染まった身体の隅々まで視姦されるように見つめられ、手の平で撫でられ、頭がふわふわとして何も考えられなくなってきた。 高まる鼓動と濃くなる一方のフェロモンに抗うことができず、ただ、継の動きをぼんやりと眺めていた。 「…好き…大好き…」 ふと、口から無意識に零れ落ちた言葉。

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