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解放 2nd⑤

安らかな気持ちで目が覚めた。 目の前の逞しい胸に、継に抱かれて眠っていたことに気付く。 静かな寝息を立てて、愛おしい夫が熟睡している。 継を起こさないように、ゆっくりと腕から抜け出し、布団を掛け直した。 二人とも一糸纏わぬ姿で、気恥ずかしく思いながら、少し痛む下半身を庇ってベッドから下りた。 あれだけ激しく交わったのに、身体は綺麗に清められていた。 部屋は真っ暗で、カーテンの隙間から月の光が柔らかく差し込んでいる。 「詩音、起きたのか?」 「あ…継…ごめんなさい、起こしちゃった?」

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